【長渕剛主演】ドラマ『とんぼ』は死ぬまでに1度は見ろ!【伝説】

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1988年、TBSで伝説的なTVドラマ『とんぼ』が全8回で放送されました。

たった8話のドラマにもかかわらずさまざまな社会現象を巻き起こし、長渕剛の人気を不動のものとしたドラマです。

『とんぼ』は内容的に再放送が難しくいつでも見られるわけではありませんでしたが、待望のDVD-Boxが発売されました。

今回はこの伝説的ドラマ『とんぼ』を深く掘り下げていきます!

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TVドラマ『とんぼ』とは?

『とんぼ』はヤクザをモチーフにした社会派ドラマです。
今となってはドラマで放送するのは難しい内容と言えるでしょう。

・放映期間:1988年10月7日~11月25日
      毎週金曜日21:00

・主題歌:とんぼ
・原案:長渕剛
・脚本:黒土三男
・プロデューサー:柳井満
・演出:大岡進・竹之下寛次・清弘誠
・音楽:城之内ミサ

スタッフはほぼ『親子ジグザグ』と変わっていません。

キャスト

長渕剛:小川英二(八田組・若頭)
哀川翔:水戸常吉(英二の舎弟)
仙道敦子:小川あずさ(英二に妹)
秋吉久美子:宮沢波子(カフェのオーナー)
石倉三郎:鉄(八田組・組員)
植木等:河合松次郎(小料理屋店主)
他にも梅宮辰夫、大滝秀治といったベテラン俳優や、デビュー間もない寺島進など濃い顔ぶれです。

ストーリー

八田組若頭・小川英二(長渕剛)は2年間の刑期を終えて出所。
唯一出迎えたのは、舎弟の水戸常吉(哀川翔)。服役中の2年の間に、妹・小川あずさ(仙道敦子)は短大への進学をやめ、カフェで働いていた。

英二は、カフェのオーナー・宮沢波子(秋吉久美子)と出会うがあずさを巡って反発し合うことになる。やがて英二は神楽坂の小料理屋の主人・河合松次郎(植木等)に波子を紹介し、交際を開始。
英二は、自分を目障りに思う八田組組長への反発を日に日に強め、周囲の人々を巻き込みながらたびたび抗争が勃発する。

危機迫った組長はついに「英二を消せ」との指令を出したが、その頃英二と波子は子どもを授かっていた。
ふたたび服役することを承知のうえで、英二は組長への報復を決意するが・・・

なぜヤクザにしたのか?

やっぱり仁義っていうかな。義理人情がきちんとあるヤクザ。
筋が一本通ってる親分。どちらかというと俺らの味方、弱い者の味方のヤクザを作ろうやと。
業界も社会も日本もぶっとばせっていう気持ちで作った。

芸術性とかあえてあんまり考えず、俺ら大衆を馬鹿にすんなよって気持ちで、黒土三男と企てたんだ。ただし、主役の小川英二は愛すべきヤクザにしようぜ!と。

別冊カドカワより抜粋

脚本・黒土三男とは?

1947年生まれ。脚本家・映画監督。
1986年放送の『親子ゲーム』で長渕剛と初めてタッグを組み、それ以降の長渕剛主演のドラマ・映画のほとんどを手がけた人物です。

名アルバム『JEEP』の中の『浦安の黒ちゃん』は文字通り、黒土氏を歌った曲。
当時は長渕剛が黒土氏の家に(もちろん浦安市)よく行っていたようです。

しかし映画『英二』での演出に関し二人は対立。
その後対立したまま2023年3月に逝去されました(享年76歳)

『とんぼ』の産声

NHKの単発ドラマとして放送された『うさぎの休日』。その伊豆ロケからの帰りの車中で、長渕剛が黒土氏に原案を話したそうです。

世の中の不条理や許せないことを、ヤクザの身を借りて表現することに黒土氏が賛同し『とんぼ』の制作が始まったのです。

トラブル

長渕剛は演技へのボルテージが非常に高いことで有名です。

『とんぼ』では黒土氏と長渕剛がタッグを組んでいたためか、プロデューサーである柳井満氏が現場を離れてしまいました。

『家族ゲーム』(1983年)や『親子ジグザグ』(1987年)等で長渕剛と共に歩んできた柳井氏にとってみれば、ヤクザへのシフトチェンジは「裏切り」だったのかもしれません。

プロデューサーの柳井(満)さんにしてみたら、裏切られたって思いが強かったと思う。
今まで長渕信じてたのにって。
『家族ゲーム』で、下町の愛すべき馬鹿な兄ちゃんとか演じさせてもらってな。
俺、柳井さんには本当に感謝してんだよ。

別冊カドカワより抜粋

監督やプロデューサーの意向とは裏腹の演出を固持することは、長渕剛にとって日常茶飯事。(例えば『とんぼ』でチンピラの耳を切り落とすこと)

しかしこういったアクの強い長渕発案の演出がウケたのは事実なのです。それは視聴率というカタチで表れていました。

視聴率

平均視聴率は18%。
各回の視聴率は以下の通り。

・第1回 アニキが帰ってきた街:16.4%
・第2回 いつかの少年:18.2%
・第3回 ふたりの始まり:17.1%
・第4回 東京のバカヤロー!:16.3%
・第5回 遠い記憶:18.7%
・第6回 闇の中の光:16.4%
・第7回 明日なき道へ:19.8%
・第8回 海を見た日に:21.8%

「テレビ視聴率季報(関東地区)」ビデオリサーチ

バイオレンスな内容だけに、子どもには見せない親もいたほどなので、実際の視聴率はもっと上の数値かと思います。

トレンディドラマ全盛期に逆行

『とんぼ』の時代はいわゆるトレンディドラマ全盛の時代でした。
トレンディドラマとは

都会に生きる男女の恋愛やトレンドを描いた現代ドラマ。配役はドラマ製作の時点で、演技や芸能活動が活発であり、美男美女、もしくは目立った個性が視聴者に高い好感を持たれている俳優・歌手・タレントが起用された。

つまりその当時売れっ子だった芸能人でキャストを固めたドラマです。
1988年から1991年にかけてのバブル景気時代に制作された恋愛系のドラマが中心でした。
今では完全に【死語】です。。。

代表的なトレンディドラマは

・抱きしめたい!(1988年)
・君の瞳に恋してる!(1989年)
・すてきな片思い(1990年)
・東京ラブストーリー(1991年)
・101回目のプロポーズ(1991年)

甘ったるい内容の恋愛モノのオンパレードですね。

なぜ『とんぼ』はヒットしたのか?

答えは簡単です。

みんな甘ったるいトレンディドラマに飽きていたからです。
美男美女の恋愛モノにウンザリ感が漂っていたのです。

ドラマと同時に主題歌の『とんぼ』も大ヒット。長渕剛自身初のミリオンセラーを達成しました。
ドラマの世界観とピッタリだった歌詞に共感した人が多かったと言えるでしょう。

エピソード

話題性十分のドラマでしたからエピソードも豊富です!
中でも有名な2つを紹介します。

長渕キック、炸裂

フラつくように相手をボコボコに蹴りまくるのが「長渕キック」。映画『オルゴール』でも見られます。
デビュー前に福岡でチンピラに絡まれたことがモチーフなのだとか。
命名はダウンタウンの松本人志です。

桑田佳祐をdisる

以前から犬猿の仲とされている長渕剛と桑田佳祐。
『とんぼ』第1回では、哀川翔が運転するベンツのラジオから流れてきたサザンの『みんなのうた』を

「こんなクソみてぇな歌、消せコノヤロー!」

とdisるシーンは有名です。

伝説の最終回

『とんぼ』といえばこの最終回を抜きには語れません。
「伝説のTVドラマ」と言われる全ては、この最終回に凝縮されているのです。

最終回あらすじ

凄惨なリンチを受けた常吉の仇をとるため、出国間近の八田組・組長を追いつめる英二。
電話BOXから波子に電話をかけ、警察へ出頭することを告げる。電話を切り、電話BOXからでた英二だったが。。。

リハーサルなし!

つまり1発撮りです。しかも完全アドリブ!
収録当日のエキストラは50人。
しかし最終的には400人に膨れ上がったのだとか。挙句の果てに警察が駆けつける騒ぎに。。。

結果的に駆けつけた警察が400人を整理しながら撮影されたのがあの最終回だったのです。

英二ふたたび

最終回で刺され死んだかに思われた小川英二。
実は生きていたのです。最終回のその後を描いた単発ドラマが『英二ふたたび』です。
 
・放映期間:1997年1月24日
        21:00~22:52

・主題歌:とんぼ
・原案:長渕剛
・監督、脚本:黒土三男
・プロデューサー:川上一夫
・演出:大岡進・竹之下寛次・清弘誠
・音楽:長渕剛・笛吹利明

『とんぼ』はTBS制作でしたが今作はフジテレビが制作した1話限りのドラマです。
続編を他の放送局が制作することは極めて異例と言えます。
 

待望のBlu-rayBOX、DVD-BOX発売!

・Blu-rayBOX:20,736円(4枚組)
・DVD-BOX:16,416円(4枚組)
2006年にDVD-BOXが発売される予定がありましたが、諸般の事情でお蔵入りとなっていました。
理由は定かではありません。
しかし推測はできます。
やはり過激な内容が問題視されたのではないでしょうか?
血しぶきが飛び散ったり、喫煙シーンも多く「教育上よろしくない」と判断されたのかもしれません。
コンプライアンス的に厳しい内容盛りだくさんですから仕方なかったのでしょうね。。。

まとめ

『とんぼ』が放映された1988年は昭和でした。
その昭和は『とんぼ』放送後50日ほどで終わりを告げ、平成に。
平成も終わり令和になった今でも色褪せないドラマ、それが『とんぼ』です。
 
今なお通用する骨太のメッセージはこの先も伝説となって語り継がれていくことでしょう。
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