前回はルネ・ステラの解釈について書きました。⇒こちら
ルネ・ストラの解釈は偉大なものですが、他の研究者と異なる部分もあります。今回は、バウムテストの「一般的な解釈」をまとめてみました。
もちろん前回同様「バウムテストの解釈は単純なものではなく、様々な観点から判断する必要がある」ことを忘れないでください。医師や医療機関がどのように利用、判断するかは実際はわからないのです。
今回はこちらの書籍を参考にまとめました。
幹
⇒抑うつ感 無力感 疲弊
⇒強い自己嫌悪
⇒頑固 うわべを飾る
⇒自信の表れ 理性よりも感情に支配されがち
⇒理性と感情のバランスを失っている
⇒頑固
⇒外界からの圧力 自分の世界への逃避
⇒成長過程における不安・葛藤などの満たされない欲求や心的外傷となる経験
⇒抑うつ状態
⇒トラウマ 強い不安感
樹皮
⇒強い自己防衛
⇒幼少期の外傷体験 自己防衛が強く外界への警戒心
⇒自己防衛するにしても外界に順応しようとする
⇒内向的 空想傾向
⇒外向的 環境に適応しようとしている
樹冠
⇒知性を重視している 何かに没頭しがち
⇒自己中心的 引きこもり傾向
⇒いくつかの目標をもっている 自分の意図を隠す 用心深く外界と接触する
⇒用心深い
⇒外界と調和し、常識にそって適応した生活をおくる
⇒高い要求水準 非社交的
根
⇒現実から離れる怖れ 外界への攻撃的態度
⇒安定している
⇒強い不安感 恐怖 緊張
枝
⇒強い自我 無力感や不適応感をもっている
⇒視野が狭い 自己表現力に欠ける 物事を体系づけようとする強迫性
⇒感受性の強さ 抑制された敵意や攻撃衝動
⇒無思慮 外向性 敵意
⇒現実と空想の両面において満足している
⇒外界の影響を受けやすい 自主性、抵抗力の欠如 抑うつ気分
⇒無力 過去の失敗
⇒外傷体験 違和感 無力感
⇒情緒的な満足よりも、知的なことに満足を得ようとしている
⇒情緒的な満足を強く求める傾向
⇒変わりたい
葉
⇒強い感受性 外界からの圧力によって自己の統制力を失っている
⇒孤独である
⇒完璧主義
⇒自意識過剰傾向
地面の線
・過度に強調した地面の線
⇒不安感や依存欲求が強い
・草が生えた地面
⇒疲弊
・用紙の下を地面の線とみなしている場合
⇒抑うつ的な感情
・平坦な地面
⇒平和 充実感
・傾斜した地面の線
⇒不安定感を抱いている 外界に適応できない
・右上がりの地面の線
⇒未来に期待をもっている 現実を肯定し、希望を抱いている
・右下がりの地面の線
⇒未来を危険と感じ、過去へ退行 自分の拠り所となる現在が壊れそうな不安
・塗りつぶされた地面
⇒不信 裏切り
その他
・花が描かれている
⇒自己賛美 外面的な体裁を重んじて、外見を良く見せようとする
・巣箱
⇒自分から動かない 決断できない
・木から落ちた実
⇒自分が否定されている感覚 何かをあきらめて放棄した経験
・支柱が描かれている:植木鉢や盆栽
⇒不安定感 自主性の欠如 支持の欲求
・昆虫
⇒未熟である
・枯れ木
⇒抑うつ感 無力感
・雲
⇒秘密がある
・切り株
⇒激しい心的外傷
・山
⇒親への依存
筆圧について
筆圧にも着目してください。
・強い筆圧で幹の輪郭を強調した絵
⇒自己主張や活動性が高い 現実との接触を維持 積極的
・弱い筆圧の薄い輪郭線
⇒無気力で自己抑制的 自我と現実との境界が曖昧 急性の不安を感じている
・不安定な筆圧
⇒情緒不安定
最後に
いかがだったでしょうか?
ルネ・ステラの解釈と比較しても、大きくかけ離れた解釈ではないことがわかります。何かの参考にしていただけたら幸いです。
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